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杖道入門＠ＣＳ放送: 2009 年06月20日08:59

▼過日、いよいよ杖道流行の兆しかっ！ＣＭに登場か？！と騒いだばかりだけどさ。
うふふ。ＣＳ放送日テレG+(ジータス) にカルチャースクールの講座紹介番組として、レポートされてる。はっきりいって、レポーターの西島まどかちゃん、かわいいの、真剣なの。

『Ｄｏ!カルチャー　神道夢想流杖道入門』
http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_culture/culture090516.htm

杖道コミュメンバー、ノンさん日記より転載

日テレＧ＋　　2009年06月19日23:38
師範代が講師で出演しておられる
日テレＧ＋の「Ｄｏ！カルチャー」
『神道夢想流　杖道入門』がネット
でも見られるようになりました。
ＹＯＭＩＵＲＩ　ＯＮＬＩＮＥで
ご覧いただけます。　
多くの人に見てもらって、杖道人口
が増えるといいのですが。
こちらをクリック
http://www.yomiuri.co.jp/stream/m_culture/

そして、杖道コミュにもトピックあり
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=43509460&comm_id=26570

寝太郎2009年06月20日 11:33: G+ 見てしまいました。

質問で～す。
夢想権之助が武蔵と立ち会った時最初は破れ二回目は打ち負かしたそうですが、その折負け方は死に至る傷は負わなかったのでしょうか（権之助の受けた傷も相当なものだったのではないでしょうか）。ちなみに佐々木小次郎は武蔵の木刀で死んでることになっていますよね。

杖道との果たし合いの後、武蔵（あるいは権之助）が傷を癒したという記録がどこかにあるのでしょうか。

杖道の果たし合いでは相手方が死に至るということは当時は常識だったのでしょうか。頭蓋骨折眼球破裂頸椎断傷脊柱炸裂くらいしそうですよね。

中村理恵子2009年06月21日 09:38: 寝太郎さん

＞G+見てしまいました。

あはは、みちゃったですか.
杖道
ってものを知るには、上手に編集されてましたよね。

＞質問で～す。
＞夢想権之助が武蔵と立ち会った時最初は破れ二回目は打ち負かしたそうですが、その折負け方は死に至る傷は負わなかったのでしょうか

さっそく国会図書館にある古い文献を探検してみたけどね。
『海上物語』　（著者：恵中（Ｅｃｈｕ）／寛文6年；1666年）の中に、
無双（夢想）権之助について記述あります。

原文があまりに達筆、筆字がのたうったるでの解せない（笑）。假名草子集成　第十三巻 P.39-ｐ.42（　朝倉治彦・深沢秋男編　1992年）を傍らにおいて読んでみると、
そもそも『海上物語』というのは、一般の人に禅念仏をわかりやすく伝えるために物語仕立てにした問答集にような体裁をとっている。その中で、先輩の武士、宮本武蔵に若輩の権之助が血気盛んに挑んで・・・「参りました！」となるシーンがあります。

その際、真剣では立ち合わず木刀で、それも座敷内でやりやったようで、最後は武蔵がこつんっ！と権之助のおでこを打つ→たんこぶできる。「お弟子にしてください。」という平和的なあ落ちになってます。

これは、武蔵が生涯無敗を誇ったことと矛盾しない内容になってます。
しかし、わたしたち杖道を稽古するものは、「夢想権之助は、宝満山にこもって神道夢想流杖道を流祖し、再度、武蔵に勝負を挑んで勝ったことになってる。」

昨日ちょうど稽古あったので、物知りなひとにも聞いてみたけど、書き付けたものや、史実にはっきりと明記されてるわけじゃない。
その後、杖道は、福岡の黒田藩門不出の技として江戸末期まで大事に研鑽されていくわけです。

大宰府にある「夢想権之助神社」と、こもって開眼した霊山、宝満山にはすでに登りました。
一方、宮本武蔵については、少し南下して熊本に、専門の美術館あります.
「島田美術館」
そして、やはり武蔵も「五輪書」を記すために、金峰山に篭っている。

みんな悩むと、山に篭るみたい。
いずれにしても、北海道生まれのわたしが、最近はめっきり九州フリークと化してます。
この夏は、できたら武蔵のおっかけか、海上物語の舞台となる長崎あたりを散策したいと思ってます。

最後に、杖道の白樫の威力ですが、円形ですので、うまく構えると飛んでくる矢が逸れるといいます。
また、真剣も、うまく叩けばへしおれるともいいます。

とりあえず、日ごろの
稽古で、まともにうければ、そりゃ
痛いです。
事故のないように、それも稽古のうち。

しかし、へとへとになって帰宅して風呂にはいると、水月（みぞおち）にあざあったり、
小手部分にもあざできちゃいますね。
へぼなの、つまり。

半端なレスしかできないわりに、長文になりました。
オーストラリアに、杖道、伝播してないかしら？
意外に、海外でも盛んですよ。

寝太郎2009年06月21日 11:43: しょうもない質問につき合っていただいて感激です。
安斎さんの所ではARの超高級な論議が続いているのにです。

そうですか、一回目は座敷内で木刀での立ち会いだったのですか。では大した怪我も無く済んだんでしょうね。

＞さっそく国会図書館にある古い文献を探検してみたけどね。
『海上物語』　（著者：恵中（Ｅｃｈｕ）／寛文6年；1666年）の中に、
無双（夢想）権之助について記述あります。

す、すごい、国会図書館行ったことがない、しかも古文書。ぎょえ～（まことちゃんが目をむく図）。

＞大宰府にある「夢想権之助神社」
えっ、１７世紀の首長クラス以外の人物が神社に祀られたりするんですか。神道は柔軟だ。武蔵もどこかに奉られているのでしょうか（ってまた質問ですが、うっちゃっておいてください）。

実はBCDの関係で五輪書や武蔵を（インターネットレベルですけど）漁ったりすることがあるのです。まだ使える所までは至りませんが何かあるという未だあるのです。

最近剣道をやってみようかと思っています。中学校の時にやったきりですが、山岡鉄舟なんかに影響されて書と剣を結びつける線です。

オーストラリアで杖道、聞いたことはないですが、この方面疎いのでくわしそうな人がいたら聞いてみますね。

中村理恵子2009年06月22日 08:17: ＞最近剣道をやってみようかと思っています。中学校の時にやったきりですが、山岡鉄舟なんかに影響されて書と剣を結びつける線です。

オーストラリアで杖道、聞いたことはないですが、この方面疎いのでくわしそうな人がいたら聞いてみますね。

寝太郎さん、剣道人口は多い。とても活発繁栄してる武道です。
日本剣道連盟には、他に、２道。
居合道と、杖道があります。

わたしは杖道だけで精一杯ですが、けっこう多くの人が涼しい顔して、剣道、居合、杖道３つをやっちゃう人います。

＞山岡鉄舟なんかに影響されて書と剣を結びつける線です。

そうそう。
わたしも、武道の動き、機微のなかで、違和感なくアートなことあると感じてます。
これは、あくまで個人的な勝手な解釈ですが。

しかし、最近、武道の資料を漁っていたら、１９２０年代のフランス、パリで、柔道着姿の藤田嗣治と岡本太郎が並ぶ集合写真みつけてぶっ飛びました。

藤田嗣治は、かなり柔道に熱心だったようです。
それで、あの絵肌だもんね。
お針もすき、ミシンも踏むし、で。

ま、なにをやっても、ついアートに結びつけてしまうのか？
そんな先輩がたの作品や日常を横目で見ながら、自分の日日があります。

寝太郎2009年06月24日 09:03: こうやって中村さんと交換日記が出来る、すばらしい。なんか高校時代に返った気分です（萠）。

ふむふむ、そうか藤田嗣治もだったですね。両手を非対称に使っての書道、未開拓の分野です。五輪書等を参考に手探りで行かねばなりません。

西洋と東洋の違い、特に墨の文化の有る無しは、編集と非編集の違いに現れているのではないかと常々考えています。墨は真剣勝負ですね。日頃の「かた」（この漢字は、方・型・形？）の修練による技の内在化の渦中での一発勝負、これが墨筆の作画行為。基底材の「ものそのもの」との出会いと墨のイメージの物質化に時に酔うことが出来るのは（大変稀ですが）至福ともいえるひとときです。

写真のシャッターにも似たようなところがあるように思います。

そうそう、何をしててもアート、私もアートオタクです。

中村理恵子2009年06月25日 06:54: ＞こうやって中村さんと交換日記が出来る、すばらしい。なんか高校時代に返った気分です（萠）。

てれますねー。。。
交換日記ですかい。

せっかくだから、この日記を前哨として、もういっこ「国会図書館」系の日記アップしましょうか。
わたしもめったにいかない場所です。
なんだかどきどきしまもんね。

中村理恵子2009年06月25日 10:05: あ、追伸。

＞日頃の「かた」（この漢字は、方・型・形？）の修練による技の内在化の渦中での一発勝負、これが墨筆の作画行為。

寝太郎さんは、型と形について、また独特のお考え、感触お持ちだとおもいますが、
武道の世界でも、いろいろな解釈あるようです。

以下のような、考えもあるみたい。

■形と型
形には、かたち、模様、あとかた、形跡、抵当、担保などの意味があり、外形、外容、形態、物件など、いわゆる外に現れたかたちである。そして「かたち」は「かた」と「ち」から成り立ち、「ち」はいのち（生命）とか、ちから（力）などの「ち」とつながり「生命の根源的エネルギー」を意味するという説もなる。いずれにしてもかたちは様式・形式としてのかたちが結びついてかたちとなる。
一方型には、もとになる形、手本、ひな型、模型、芸能などの一定のしぐさ、武芸などの一定の動作、しきたり、慣例、タイプなどの意味があり、型には「鋳型」や「型木」などの語が示すように、他のものに等質的に移し、写される性格を持つ。そしてこれは、時間的過去のものを現在にうつす時にも用いられ、武芸、芸能の達人が残した型を後世の人が学んで、外型によってそれをとらえようとする場合がそれにあたる。
このように武道において先人から、われわれに伝達されてるのは「型」の概念としてとらえられよう。「形」は、実際に表現され、具体的なかたちとしてとらえられる場合の概念といえる。したがって、武道のかた、古流のかたなどという場合は「型」であり、「日本剣道がた」（中略）など、具体的な一定の形態を指示する時は「形」を使うのがよいであろう。
（「武道のすすめ」中林信二）

寝太郎2009年06月27日 17:07: 交換日記、光栄です。しかし、国会図書館を当てにするあたりさすが中村女史。

交換日記といっちゃたのはマイミク大人気の中村さんを独り占めしているところからの描写で、私お得意の腰砕けトークです。大体が、過去にも交換日記は残念ながら実行したことはないんですね（うそつき）。

なるほど「方」はありませんよね。「方」は方向、役割等を示すのですね（鼓方とか）。「かた」と「ち」ですか、勉強になります。しかし刀の振り方とかしゃべり方というのはどうだろう。方法や特徴について言及しているのではないだろうか。

日本の芸事は「「かた」から入る」といいますよね。この「かた」は「型から入る」でいいんでしょうか。「形から入る」のほうがいいような気がします。しかしこの場合「かたち」と読まれてしまうとちょっと違う。「形（かた）から入る」とルビを振る形がいいかも。「方（かた）から入る」の可能性はないですね。

西谷啓次が日本の哲学は美学から始まると言っていたそうです（前にもどこかで言及しました）。日本の美意識といえば、私はまずこの「かた」を意識するのですが、日本人の芸道は「型に従い」、「型に入り」、「型を出る」といわれますね。私はこの「型」と画の六法の気韻生動との関係が気になります。

ここには型を習い型に入り、没我の域で行為そのものに至り、意識からの自由と生動の流れから豪快に洒脱に至る過程が慮れるのですが、ちょっと資料を調べてみたくなりました。

私は国会図書館には行けないのでインターネット図書館で調べてみましたところ、資料は玉石混淆ですが、中には大変参考になるものもあります。CiNii では沢山論文が読めますね。http://ci.nii.ac.jp/

橋本綾子「写生派応挙の出現」（京都書院刊「円山応挙画集」）の引用がありました。（ http://www.ne.jp/asahi/yoshio/magara/Theme042.htm
）

応挙の私の知らなかった作品。
http://museum.daijyoji.or.jp/enlargement/03-02/d36301r.html

写真家の方の「気韻生動」に関する引用を中心にした小文ですが、大変参考になります。
http://www.ne.jp/asahi/yoshio/magara/Theme042.htm

**
橋本綾子「写生派応挙の出現」（京都書院刊「円山応挙画集」）から、関係部分をそのまま転記する。

門人奥文鳴は、『仙斎円山先生伝』において、応挙の一生を述べ、

真物ヲ臨写シテ新図ヲ編述スルニアラスンハ、畫図ト稱スルニ足ルヤ。豪放磊落気韻生動ノ如キハ、写形純熟ノ後自然ニ意會スヘシ。拙手ノ得テ窺フヘキニアラス。

と応挙の言葉を紹介しているが、絵は現物を目前にして写すだけではなく、それによって新しい画面を作るのでなければ、どうして画図と言えようか、と応挙は「写生」と同時に「創作」の二面に心をくばっていた。
そしていわゆる豪放磊落気韻生動などというものは、形が整えば自然と生まれてくるものであって、下手な絵師の窺い得られるようなものではない、と昂然と技術主義の態度を顕らかにした。
この言葉が、応挙の一生の中で、いつ、どのように文鳴に語られたか知るよしもないが、中国画論にいう「気韻生動」と比較するとき、それに追随せずに逆転していることは極めて興味深い。

中国唐末の論画家張彦遠は、「歴代名画記」を著し、そこで、五世紀の南斉の謝赫が著した「古画品録」の序文にある有名な『画の六法』を紹介している。

昔謝赫言う「画に六法あり、一に気韻生動と曰い、二に骨法用筆と日い、三に応物象形と曰い、四に随類賦彩と曰い、五に経営位置と日い、六に伝移模写と日う。」と。
この六法はのち永く中国の作画や評画の基準となり、やがて日本に伝えられて江戸時代の画論に大きな影響を与えたのであるが、特に六法の第一にあげられた「気韻」は、時代によって意味内容に変化があるものの、常に中国画の最高理想を表す言葉として用いられてきた。第二の「応物象形」は形の写実、第四の「随類賦彩」は色の写実を要求するものであり、第五の「経営位置」は構図が適切であること、第六の「伝移模写」は、画家の技能の習練として、或いは伝統の体験として、古名画の模写を奨励した箇条であるという。

寝太郎2009年06月27日 17:09: （上の続き）
そこで第二の「骨法用筆」であるが、骨法とは骨相、骨格を意味し、皮膚や筋肉の内奥に厳然と存在して身体を支えるものである。それを顕にする如く、描線は強く、また微妙に、格調をもって駆使されなければならないというのである。そして第一の「気韻生動」は、描くべき対象の風情、個性、或いは生命や精神が、画面に生きいきと表現されていることを要求する。それゆえ「気韻」実現の表役として「骨法用筆」を第二に掲げたのであった。謝赫の画の六法は、線の芸術である中国絵画の基本性格をはっきりと表しているといえよう。そしてこれはまた古今を通じて中国絵画の基礎となり、伝統となる客観主義を技術論として定着させたものであった。ところで唐末に出た張彦遠は、それを論じて、更に筆力や用筆を重視し、[骨法」と「気韻」を同じく最高位につけて「骨気」と言い、「応物象形」と「随類賦彩」を一緒にして「形而」と言い直した。
そして謝赫の生きた南斉の頃は、「骨気」を尊重し、「形而」を二の次としたが、当代（唐）は、「形而」を追求する余り「気韻」が湧き上がらないことを嘆いている。「気韻をもって制作に臨めば、形而は自らその間にあり」、という古人の絵はなんと素晴らしいことだろう、と。そして気韻獲得の道として、画家の人格や心構えを説き、職業的専門画家に対する文人画家の優位を強調したのである。また北宋の後半になると、郭若虚撰「図画見聞誌」（一 ○七四頃）が著され、そこには「気韻は師によるに非ざることを論ず」という一章が設けられている。「骨法用筆」以下の五法は学ぶことができるが、「気韻」は先天的資質であって、どれほど工夫を重ねても獲得できるものではない、という。いわば北宋末では気韻は全く対象から離れ、画家自身の精神になってしまったのである。これは文人画勃興に伴うもので、以来文人画の主張の中核となって明清時代に継承されていった。
ところが応挙が『仙斎円山先生伝』において語った言葉は、中国画論に学びながらも、『気韻生動論」に関してはその逆をゆくものである。「気韻をもって制作に臨めば形而は自らその間にあり」という古人の絵に感動した張彦遠に対して、応挙は「気韻生動の如きは写形純熟の後自然に意会すべし、拙手の得て窺うべきにあらず」と逆転して昂然と技術に対する自信を示したのである。

橋本教授の解説で充分ながら、この六法は色々なところで解説されているので蛇足かもしれないが付記しておく。
インターネットでは筑波大学のデータベースに下記の様なのを見つけた。

絵画が精神の所産である事を最も強く感じさせるものに中国の山水画がある。
そして、その山水画を含む中国絵画の理論的根拠となったのが南斉(479-494) 時代の肖像画の名手、謝赫の著した「古画品録」である。
その序に書かれた「気韻生動」は以後の朝鮮、日本を含む東洋画の精神を規定しているとも言える。
その序を要約すると次のとおりである。
絵画の目的は勧戒にあり、絵画に六法が存在する。
六法とは、一に気韻生動、二に骨法用筆、三に応物象形、四に随類賦彩、五に経営位置、六に伝模移写である。
第一に説かれる気韻生動は時代や国によって様々に解釈されるが、意識的若しくは無意識に神気又は霊気を筆先からほとばしらせると解釈されよう。
骨法用筆以下の五法は気韻生動の方法論的色彩が強いが、線による自然の構造の把握、対象に応じた造形、質感をも表現する色彩、構図、そして古名画の模写の法、これが六法である。
**
「「気韻をもって制作に臨めば形而は自らその間にあり」という古人の絵に感動した張彦遠に対して、応挙は「気韻生動の如きは写形純熟の後自然に意会すべし、拙手の得て窺うべきにあらず」と逆転して昂然と技術に対する自信を示したのである。」ここに日本画家の型に対する思い入れが見えるような気がするのですが、「型」という意識自体中国と日本では違う事が考えられるので、一概には言えません。ただ、一定のステイタスに達した知性が作る作品に否応無しに一目を於く中国と、出来合いの善し悪しを問う、つまり不特定観者の視点を装う日本の画家との視点の差があるような気がするのですが、いかがでしょうか。

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