▼流祖祭、その2
竈門(かまど)神社境内中央に今回の流祖祭の長、神之田常盛師範が座し、初段、師範の区別なく一斉に奉納演武が
始まる。
【打太刀 大里耕平師範 仕杖 阿部修師範】
【打太刀 山口満師範 仕杖 西村輝夫師
範】
【打太刀 神之田常盛師範 仕杖 大里耕平師範】
道衣は、上下同色が決まり。
藍染の濃紺あり、生成りや白あり。
あら?この白vs.白は、さの四段かな?
この人たちレベルになると、シャッターのタイミングが皆目見当つかなくなる。30年以上の稽古を積んでいて、あ
る試算によれば最低でも5500時間は、杖を触っている。
うーん、いまの私では、残念だけどこの空気感を撮らえきれないや。
ともあれ、なんの変哲もない白樫の棒を操る杖道は、
老若男女に道の開か
れた懐の広く深いエレガントな武道である。
力ばかりでも、勢いばかりでも成らない、勝てない武道に思える。
★杖道には初段から八段をめざす昇段の約束事があると
昨日記したけど、これは一般に広めようと昭和43年(1968年)に12本
の制定形といっしょに定めたルールである。これを仮に
「剣連杖道」と称して、これからの話を
すすめることにする。
本来の「
神道夢想流杖道」(古流という言い方もする)には、実は60本
以上の形がある。
http://homepage3.nifty.com/-samidare-/kensyuu1.html
そして修行の進捗は、公開審査で昇段してくのではなく、節目、節目に師匠に授けられる巻物によって自分を客観的
にとらえるらしい。
【今年2月の
武道合宿@鹿島神宮アルバムより】
技の名称を読みあげてみるとなかなか趣のあるものもある。
特に、最後ここまで辿りつけば免許皆伝!(口伝といわれる)極意秘伝「五夢想の杖」なんて、漢字の並びから技を想像できない。
闇打(やみうち)
夢枕(ゆめまくら)
稲妻(いなづま)
村雲(むらくも)
導母(どうぼ)
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今日紹介の師範たちは、もちろん「神道夢想流杖道」免許皆伝であり「剣連杖道」高段者でもある。
最初、普及形の「剣連杖道」で気軽に始めたこの道だけど、その奥にある「神道夢想流杖道」の歴史や技の複雑さや
難しさに直接触れる機会を得ることは格別なことだ。
話は、
トーナメントのこと、そして創始者夢想権之助の修行の地である
宝満山の「普池の窟」登山へとつづく。