▼久々、
鮮明な夢をみて目覚めた。
家をでて、6時ちょっと前乗車。
やっと日が昇ってきたばかり。
電車は走る。
都内中心部をとっとと過ぎて、かろうじて都下ぎりぎりにある武道館をめざして。
今日は、
杖道のトーナメントで、午前中に集中して行われる。
武具に、荷物に、お八つにお茶に。
ん?なんかいつもりより身が軽い。
ま、いいか。
でも、なんか物足りない。
うわっ道衣がないじゃん。
いつも家から着こんでるはずの道衣、着てもないし、持ってもない。
なんでよっ?
どうしてよっ?
えらいこっちゃ!
運悪く仲間たちもちょうど同じ時間にトーナメントに出場予定だから、ちょっと拝借ってわけにもいかないし。
どこの誰とも知らない人が、「これならあるけど、、」と持ち出したのは、へんてこな
蚊帳色の沈んだグリーンの道衣。
上下同色ならいいだろか?しかし、これ、小学生用じゃん。ぜんぜん袴の丈も裄も足りないよ。
はぁぁぁぁぁぁぁ。ランドセル開けると中が空っぽなんてろくでもない夢をたまにみたけど、
今日はこれかよ。
そうなんよ。ずいぶん鮮明な夢だと途中から気がついてた。
だって、こんな年の瀬の、ほとんど稽古納めも済んだこの時期に、トーナメントなんてありえないもの。
夢か、、、
だけど、道衣どうにかしないと。
家にとりに戻るか?往復3時間あればなんとかなる。
しかしそれじゃトーナメントは、終わってる。
どうしよ?
泥のかたまりのようなアトリエの連なった校舎の一角からふいに不健康な顔の;まゆげのないパンダ目の足腰のほ
そっぴいX脚の、
NANAに
演たことろの中島美嘉風女がよろよろ出てきた。
もーっ藁にもすがる思いのあたし、
「道衣、もってないっ?」
中島美嘉風女
「げっ、なんで杖道やってるの解ったのさ?」(一瞬ひく)
あたし
「当たり?、貸して貸して貸して道衣貸して」
中島美嘉風女
「いいけど、ここから下宿まで5kmだから、往復チャリで30分ってところかな」
しゅんと(駅前留学NOVAキャラのうさぎの)耳ごとうなだれるあたし
「あああ、もうすぐはじまっちゃうよ、間に合わない。どっかにないかい?」
中島美嘉風女
「あ、あっちの粘土棚あたりに、ぐちゃぐちゃ積んであったかも?」
----あ、ここムサビ構内かい、、、東京の果て;千葉方向に行ってた図なのに武蔵野の奥にワープか、、ま、夢
だからな。-------
確かに、粘土棚には、粘土板や垂木、丸木、鉄べらなどなどが、粘土色に染まって乱雑に積まれているそのまにまに濃紺や、生成りの道衣
が押し込まれている。
一枚一枚乾いた粘土ホコリを舞い上げながら引っぱり出すものの、どれもサイズがちがったり、襞もぐちゃぐちゃで到底、公式戦には使え
ない。
ああああああ。
誰かーっ!
涙が
ちょちょぎれる。
家には、長年大事にしてきた道衣に加えて、最近ヤフオクで落札した”
決して色おちしない正真正銘の
正藍&バイオ加工道衣”(なんとも不思議な発明品)もこの日のために準備してあったのに。きち
んと畳まれた道衣たちに、足があれば、走ってきてちょーだい。
口惜しい。
するとだ天井までいっぱいいっぱいに聳え立つ粘土棚の後からぱっぁと光が漏れてきて、
回り舞台がぐるりん
なんと最新のブチック、いやブティックに。
ばりっとした銀ネズに輝くストローなスーツを着込んだ鹿賀丈史風デザイナーが華々しく、天に向かって示す。
みると、天井からうやうやしくプレスされた5本の前襞もくっきり、袴がワイヤーに吊られて降りてきた。
「あなたがお探しなのは、これですねー。」
鹿賀丈史風デザイナー高らかなに宣言。
--なんかこの人胡散臭い。目の下にクマあるしとおもいつつも----。
白か、、、、
ま、いいかこの際。
夢だというのに、なかなか家に帰れないし下宿に瞬時に移動して道衣をゲットすることもままならない。なのに、登場人物は多彩でストー
リーはぶっとんでいる。
忘れ物の夢は、だけど疲れる。