1)Mutangs
2)王羲之と藤原行成筆
3)《03-71bl》
(リヒター/2004年) (小林俊介/2003年)
▼かつて、池袋の西武美術館(セゾン美術館とも言ふ)行っ
て、竹橋の国立近代美術館へ。もいっかい池袋に戻ってアー
ル・ヴィヴァンで高価な画集を立観みし撫でて(笑)、デパ地下で肉まん
を買いこみ西武線に乗ってムサビ付近まで帰る。こんな経
路でさ迷っていた1980年前後。
その後の1990年から2000年は、ICCをはじめとするメディア・
アート系施設を自分達自身の活動の場として、観る側という
より仕掛ける目線で巡っていたように思う。
久々、正月明けからぷらぷら美術館や博物館へ。
1)ゲルハルト・リヒター@
ワコウ・ワーク
ス・オブ・アート
ゲルハルト・リヒター-絵画の彼方へ-@
川村記念美術館
1932年生まれのリヒター。
40年に及ぶ画業を、その最新作まで遡るようにふたつの展覧会をはしご。巨大キャンバスの中にあたかもボケた白黒写真を移したような
作品や顕微鏡で覗き込んだ世界をプリントしたようなもの、筆跡ばりばり;絵具をのせてひっかいたアブストラクトなものまで。これら時系列に並ぶのではな
く、同時進行している。まるで何人かの質感の違う絵描きが、束になってひとりのリヒターという人間になっているかのような印象。
2)書の至宝@
東京国立博物館(平成館)
入場して長蛇の列。
40分待ちだってさ。
一瞬めげたが、白髪の仲良しグループの多さに驚きながらも
、ぽつぽつと目立つ若い人々のすばやい動きと目線は、「あ
あ、きっとこの人たちは切実に盗みにきてるな。」と思い、
んじゃ、わたしも!。
人だかりの山は、3.5つ。
聖徳太子(7世紀の人)、空海(9世紀の人)、一休(15世紀
の人)、良寛(19世紀の人)。
日本人は、良寛さんが好きね。
いずれにしても約1000年の時間を行きつ戻りつしながら、人だかりをかきわけて、試しに一行を指と呼吸でなぞってみる。
ふっと空海や良寛の鼻腔の大きさ、肺活量、神経の機微に触れたような気持ちにもなる。藤原佐理の異形な草書も
印象にのこった。
3)絵画の行方@
府中市立美術館
かつて国立近代美術館にいた本江邦夫館長の、当然、肝いり
企画展(同名の書著もある)。各自治体の美術館運営を
壷や掛け軸購入を回避してというのは、非常に難しいと思うが。
本江さんを得て、サッポロビールやNEC、東芝などの優良企業のある豊かな府中市に、第二の近代美術館が育つかな?
いや、もっと違うイメージか?
ホワイトキューブに気持ちよさそうに架かる、久々にみるキャンバスたち。
さて、その行方は?
その彼方に見えるものって?
わたしも、足元に目線を落としてみる。