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「みんなの痕跡」、名前と「わたし」

東経大・メディア制作ワークショップ(通年 毎週木曜の2限)「わたしをメディアする」

2017年6月1日「みんなの痕跡」
2017年7月20日 名前と「わたし」

 

進行中の、「カンブリアンゲーム」東経大記念セッションとの共鳴、あるいは新たな地平へ

川浦康至(カワウラヤスユキ)

東京経済大学名誉教授。1951年長野市生まれ。2005年から2017年まで東京経済大学コミュニケーション学部教授。専攻は社会心理学とコミュニケーション論。目下の研究テーマは名前。痕跡や矢印にも関心がある。
2017年、写真「はい、わかりました」で、水戸路上観察学会「一木賞」を受く(水戸芸術館)。

 

 


6月1日(木) 「みんなの、わたしの痕跡」

事前課題:痕跡論文を読んでくる
http://www.tku.ac.jp/kiyou/contents/communication/31/Kawaura.pdf
そのうえで痕跡を採集してくる。現物、写真を問わない。

講義資料:川浦先生のお話

「みんなの痕跡」発表・報告

投稿作品をクリックしてオリジナルサイズでご参照ください。★それぞれ、、川浦先生からのコメントがあります。

 

リアクションペーパーに応えて
川浦先生の「2017年6月1日 2時間目だより 」新聞 →川浦新聞配PDF


7月20日(木)名前と「わたし」

名前論文を読んでくる
http://repository.tku.ac.jp/dspace/handle/11150/10935

・自分の名前に関するエピソード
・自分の名前の字を電話で相手に説明するときのしかた
・これまで書いた名前の写真(小さい頃から現在まで)
こっちも、、みといて→2014年7月号 宣伝会議「研究室訪問」
ネット時代の「名前」とコミュニケーション

http://www.tku.ac.jp/~ykawa/works/2014/kawaulab.pdf

 

川浦先生、お話の流れ資料

 

導入は、川浦せんせいと掛け合いで、楽しく!

 

メンバーひとりひとり、「わたしの名前」について発表、語る

 

川浦先生の「2017年7月20日 2時間目だより 」新聞 →PDF

 

離見の見を撮る

身体表現ワークショップ(4月~7月 毎週水曜の3限&4限)
メディア制作ワークショップ(通年 毎週木曜の2限)

2017年度のテーマは、「離見の見」

世阿弥の言う「離見の見」は、演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自身の演技を見る意識のこと。
そして、2017年度「杖道×アート」のテーマは「離見の見」です。
「杖道入門」で体得した自分目線の没入感を、「仮想人類トケコムの環世界」で鍛えた撮影術で、「離見」します。

師範の模範演武を、観客目線ではなく、自分が斬っていく、自分が太刀を誘いこんで応じていくように撮ってみよう!

超ムズカシイ・・・

4チームに分かれたメンバーは、とにかく、手を動かし、位置を工夫し、試行錯誤がつづきます。すると、演武後半、デジタルカメラの液晶に、ぴたっとピントのあった画像が現れはじめました。その瞬間、暗闇に歓声があがります。演武する先生たち(山口 満(神道夢想流杖道免許皆伝)×矢口真知子(杖道錬士七段))も、学生たちに交じって小さな液晶をのぞき込んでは、「見る場所であんなに違うとは。面白い!」と率直な感想を述べられました。

自力でここまできた彼らと、もう少し先へ!行ってみます。
この試みは、はじまったばかりです。

全日本剣道連盟制定形杖道の8本目、太刀落(たちおとし)

 

全日本剣道連盟制定形杖道の11本目、乱留(みだれどめ)

 

2017/7/20
12本の制定形

太刀の背後から撮る 太刀(赤)×杖(青)
杖の背後から撮る 太刀(赤)×杖(青)

 

学外・特別講義「第29回 東京都杖道大会」観戦

【学外・特別講義「身体表現ワークショップ-杖道とアート-」

日時:7月16日(日曜日)午前11時~午後4時ごろ
イベント名、目的:「第29回 東京都杖道大会]」(入場、見学無料)観戦、体験
場所:巣鴨学園体育館  〒170-0012 豊島区上池袋1−21−1

東京都杖道大会 解説

【課題内容】

1.杖道の勝敗はいかに決するのか?800文字程度+決定的瞬間画像3点以上
2.12時~20分程度ある、「杖道体験」への参加 指導:山口満先生

 

大島佳奈

杖道の勝敗の決め方について、私が実際に試合を見て思ったのは、紅白に分かれて順番に同じ技を演武し、それで審査員三名の多数決によって決まるのかなと思いました。調べてみると、杖道の試合は二組の出場者が、既定の術技を仕打交代して演武し、その「充実した気勢」、「正しい姿勢」、正確な打突と打ち込みの強弱」、「門合と問」、「礼法」などを評価して、審判員が判定して勝敗を決めると書いてありました。初めて杖道の試合を見て思ったのが、柔道・剣道・空手などの他の武道とは違って、一本勝ちがないことや、好きな技をやっていいわけではなく決められた技を仕打交代してやる点だと思います。言葉だけで聞くと、決められた技を交互にやるだけで、簡単に思えるかもしれませんが、実際にみるとそうではなく、素人が見ても優劣がつけがたい非常に難しく繊細なスポーツです。選手の気迫や技の迫力、杖の当たる音や選手の威勢、足音、そして沈黙しているときの無音までもすべてが素晴らしく、そしてきれいでした。
でも一つ気になった点があります。それは勝敗のつけ方です。三人の審判員の多数決ですが、三人とも同じ色の旗を上げた場合はいいのですが、一人でも違う色の旗を上げた場合です。人によって判断基準は異なるので、こういった判定の違いが出てしまうのはしょうがないことですが、違う視点から見ると判断が変わるかもしれない可能性があるのです。調べてみると杖道には、近年スポーツ界で導入されているビデオ判定や、テクノロジーを駆使した機械の導入がされていないことがわかりました。これは剣術の世界では、審判は絶対的な存在であり、審判に抗議をすることはあってはならないことという思想によるものではないかと思いました。しかし、杖道と同じ武道の一つである柔道は、2000年12月からジュリーというビデオ判定機械を設け、審判員では判断しかねない場合はこの判定方法を行っていることがわかりました。より、正確な判定をするためにも、ビデオ判定なども取り入れてみるのもいいのかなと感じました。
この授業を通して、杖道を知ることができました。実際に見ると想像していたのとは全く違いました。まだ、技を詳しく知らないのでこれからいろいろな技を調べ、より杖道を試合を通して楽しんでみたいと思いました。

松丸弘史

まず試合を見ていて、年配の方が多いなと感じた。会場の中は、ものすごく静かな雰囲気と、技を決めた時の威勢の良い声が響き渡っていた。試合を見ていると、2組の仕杖・打太刀が指定された形を同時に演武し、技と間合いの正確さ、気勢の充実度などにより勝敗を判定していたが、必ずしもフィジカルの面で有利な組が勝利するわけではない気がした。これも杖道の魅力のひとつだと感じた。いわゆる力まかせの武道ではないということだ。年齢差が結構ある試合が多いなと感じたが、このように形武道であること、全身を無理なく遣う武道であることから、体格差・年齢差・男女差などに関係なく互角にその技量を尽くせる数少ない武道だと思った。

試合が終わっても、戦った相手と会場の端のほうで、しっかりと挨拶をして、とても礼儀正しく真摯なスポーツだと感じた。

私は幼いころから野球をやっていて、野球を通じて挨拶や礼儀を学んだが、この杖道はそれよりも、もっと深く礼儀正しくて、恨みっこなしの、選手も観客もみていて気持ちがいいスポーツであると思った。

 

福島大河

 

杖道の勝敗の仕組み

杖道の試合は、赤と白の二組、各組二人ずつに分かれて行われる。それぞれ一組ずつが決まられた技を交代で演武し、それを主審一人、副審二人が判定する。素人が見たところでは、いったいどのように勝敗を決めているのかさっぱり分からなかった。もちろん、剣道のように二組がそれぞれ戦いあうわけではない。審判員はいったいどのような点を勝敗のポイントとしているのであろうか。

大きく分けると、五つのポイントがあるそうだ。

一つ目は、「充実した気勢」である。要するに演武者の気持ちのことである。この表現として毎回杖側の人間は技を繰り出すたびに大きな声を出す。そう考えると杖のさばきひとつひとつにも感情を込められているように思えてきた。わたしたちも講義中、打ち方を習う際に声を出していたが、あんなものとは比べ物にならない迫力であった。先生のあれだけ昼飯食ったのかと聞くわけもよく分かった。

二つ目は、「正しい姿勢」である。打ち方によって杖の持ち方や体を向ける方向は異なる。こういったものが決められた通りにできているかどうかも審判員にみられている。

三つ目は、「正確な打突と打ち込みの強弱」だ。それぞれの技によって、太刀のさばき方、相手のどの部分に杖を向ければよいのかなどである。打ち込みの強弱とは、一定の打ち方では技に表情が付きにくいため、太刀をたださばくためだけに打つときの杖と、相手に直接杖を打ち込むときでは杖のスピードや勢いを変えることではないかと感じた。瞬間的な動きをする部分とゆっくりと相手に向かっていく部分で表情をつけているように思えた。

四つ目は、「間合と間」である。相手に向かっていく部分で相手との距離をとる物理的な間合いと、技が終わった後の残心の部分で動作の中に空気感をつくっていた。抑揚をつけるという意味では音楽のようであると感じた。

最後は礼法である。どの武道やスポーツでもあるように、マナーは守られているか。相手に敬意を払うことができているのかどうかだ。こういった点は試合後に見受けられた。試合の中でけっして交わることのない二組であるが、試合後それぞれ正座をし、互いに礼をしていた。驚いたのは、完全に試合が終わった後であったからである。審判員はその様子をいちいち見ているわけではないし、これが勝敗のポイントになるのかどうかは疑問であったが、試合相手を尊重するといった意味やほかの競技ではあまり見ることのできない光景であったので、独特であるなと感じた。

このように様々なポイントを踏まえ、審判員は優れていると思った組の旗をあげる。これには審判員の好みが多少なりともでてしまうのではないかと感じたが、それでも見ている側を引き付け、魅了し、気持ちが伝わる演武をしたものが勝者となるのではないかと考えた。この部分がこの武道はとても比重が重いと今回直接試合を見て肌で感じた。打つ込みの正確さ、間のとり方といった技量はもちろんであるが、みている者の心にグッとくるような、きらめきを感じさせる気持ちの表現をすることが勝敗に大きく関わるのではないかと感じた。

参考文献
杖道とは http://www.kendo.or.jp/kendo/
杖道とは http://tokyo-jodo.jp/applicant/what-is-jodo

後期・学外特別授業「第44回 全日本杖道大会」ライブ観戦
http://rieko.jp/lab/?p=14433