Shake Spears Dialog
光る杖の軌跡
横浜みなとみらい地区の夜景をバックに、古武道から新たな身体表現へ
スマートイルミネーション・アワード2015/学校部門 入選作品
はじめに
シェイクスピア…あの有名な劇作家の? さにあらず、「シェイク(振る)スピアズ(槍)ダイアログ(対話)」という意味の造語です。四百年継承された古武道、杖道(じょうどう)に倣う創作システムです。LEDを仕込んだ光る杖を用い、対戦者同士の本気の(命がけの)対話を可視化します。杖が描くしなやかに変化する光の繭は、絵(ライトペインティング)ではなく、対戦者の周りに現れる拡張された身体そのものです。
自然界には自ら発光する生物がたくさんありますが、ときには自分を大きく見せたり、擬態を見せたりしながら、自己と環境の境界を操ろうとします。杖道で用いる128㎝の杖の動きも、身体の延長線上に攻防のシールド、殻を作ったり外したりしながら、相手の可能な動きを封じ込め、操ろうとします。シェイクスピアズダイアログは、単に美しい絵や風景を描くのではなく、生命と環境の織り成す形の美しさを追求しています。
2015年の秋、夜景の美しい観光スポット横浜みなとみらい地区を背景に、光る杖を使ったパフォーマンスとワークショップを行いました。象の鼻テラス前6m×6mのステージでは、毎夜冷たい海風や天候の急変にもめげず、杖道有段者による演武(実演)、光る杖の軌跡を描く杖道のパフォーマンス「杖×ART」、役割を振られた学生同士の対話・対戦ワークショップ「Shake Spears Dialog Workshop」を実施。それらの記録を通して、作品を作っていきました。
横浜を遊ぼう!授業の一環として 講義をまるごとアートイベントへ
東京経済大学コミュニケーション学部では、毎週木曜の3限~5限、「身体表現ワークショップ・杖道とアート」、「メディア制作ワークショップ・わたしの時間を造形する」、「表現と批評・マジを起動するワークショップデザイン」など実験的なワークショップ型講義を開講しています。メンバーは古武道を習い、身体を動かし、スマホやデジタルカメラを使った作品制作を通じて、ひと、モノ、事とのコミュニケーションを考え、体感します。
2015 年10月30日~11月3日、横浜みなとみらい地区で開催された「光」をテーマにした「スマートイルミネーション・アワード2015/学校部門」に出展しました。 アートイベント出展のお話が舞い込んだのが8月。それから2か月間のあわただしい準備期間を経て、横浜・象の鼻パークのメインスポットにて、国内外から参加するアーティストたちに交じり、5日間にわたる作品発表とパフォーマンスとワークショップを公開授業・公開制作というかたちで実施しました。
出展用ポスター(※クリックするとスタッフ名などくっきり読めます!)
今回この成果を、国分寺くるみギャラリーの企画展として発表します。
2016.1.8(金)-1.13(水)
12:00〜19:00開廊
1.11(月・成人の日)休廊
★オープニングイベント(内覧会)1月7日(木)17:00~18:30
【作品展のこと、東経大ニュースに】
http://www.tku.ac.jp/news/017064.html
【東京経済大学コミュニケーション学部 教員トーク】
芳賀 啓 客員教授
深山直子准教授(文化人類学)
松永智子専任講師(メディア史 国際ジャーナリズム論)
〒185-0012 東京都国分寺市本町2-18-16
TEL&FAX 042-312-2963
【制作・運営】 ギャラリー日誌(メンバー限定)
メディア制作ワークショップ/表現と批評メンバー
新垣伸二郎,岩井美貴,井上祐貴,市川菜々子,徳江恭平,井上瑛水,髙橋慎吾,勅使河原誠,原田直樹,山根遼太,原悠生,秋葉成美,岩木美奈,廣野臣吉,成瀬都香,冨田聡,城座弘直,伊藤駿介,笠井孝浩,三ツ橋海州,小原聖士郎,高松和久,渥美祐太,嵐田継也,長田耕平,本間大基,重山弘幸,松永絵美,吉永文香,曽根舞衣,共田健人,北原大和,和田大輝 (順不同)
【制作協力】
安斎利洋 システムアーティスト
【撮影・進行管理】
山中雅大 東京経済大学博士課程コミュニケーション学専攻
荻原 誠 平成26年度 身体表現ワークショップメンバー
【企画・制作】
中村理恵子 アーティスト 東京経済大学 コミュニケーション学部 客員教授