観客としていくのと演武者として武徳殿に上がるのとじゃ大違い!おおいに思うところありだけど、東京へ帰る車窓からの富士山があまりに見事だった。
#京都大会 #118回全日本剣道演武大会 #杖道 #神道夢想流杖道
コロナ禍、2019年以来、2020年、2021年と中止されて3年ぶりの開催である。
山口満杖道教士七段に太刀をお願いして東の10番、演武。
5月1日(日)10時42分ののぞみ車中では、アルコールも可で評判の「品川貝づくし」弁当と白ワインで前祝い。
久々の京都駅のあの古都とのコントラストが異様な駅舎は健在。さっそく伊勢丹デパ地下で今晩と明日朝の食料買い込んで、駅裏1分、MKタクシー車庫・待ち場隣接の超便利なホテルにチェックイン。
5月2日(月)いよいよ演武当日。
GW期間中とはいえ、平日。演武当日の朝、ゆっくり熱めの風呂に入って準備する。受付時間の7時めざして旧武徳殿へ向かう。
8時半からの開会式も武徳殿向かいの体育館で待たされ出席できず、各種武道からはじまって、なぎなた、杖道の部と順番に呼ばれていよいよ山口満先生との演武の順番がくる。
演武は、太刀落、一力、鍔割、霞、ミジン(後)を。
演武後、先輩たちに美味しいそば屋に連れていってもらう。
河道屋 養老(かわみちや・ようろう)、天ざるそばと冷たいビールがしみる。
思い出すと平成18年(2006年)当時杖道二段だった、多摩の大塚重治先生にお連れいただいてはじめて京都大会を見学した。非常に華やか、厳粛、こんな世界があったのかと圧倒されたこと、大変な驚きをもって見学したことを思い出す。以降、こうした全国規模の古武道イベントを見学する機会は、杖道への興味を深くして習い覚える日々をより彩豊かにしてくれた。
まさか自分が同じ板を踏む日がくるなんてことは、夢のようでもある。
感無量というよりもむしろ衝撃的でさえある。実際、武徳殿の床に上がってみての感想は…、記憶が曖昧まだ実感として伝わってこない。全剣連配信YouTubeの2時間25分すぎ、自分の演武を確認できた。
なんと基本中の基本からできてない。太刀より先に自分がさがっていることにまず愕然とする。つぎつぎたらないことばかり、ダメ出しの山が自分の中でてんこ盛りになる。言葉にならない焦りや残念な気持ち、くつもの課題にいたたまれない気持ちになる。
5月3日(火曜・建国記念日)、八段審査のある京都市体育館へ向かう。
この日、審査に臨まれた山口満先生を出待ち。27人が挑んで一次審査で3人残り、最終的に60歳の男性一人が合格された。
体育館併設の、ドックラン付軽食堂にて先生とビールランチをとって休息する。
帰りの新幹線乗車時刻をとっくにすぎても話は楽しくて、結局、その夜県人会に出席予定の先生を宿に送ってそのまま京都駅へ向かった。17時01分ののぞみに乗車する。自由席の左列に座れて東京へ帰る車窓から、夕刻の富士山が茜色に染まる姿が超絶美しい。
念願だった演武の事、八段審査のこと、終わって師匠とのゆっくりした語らいどなどひとつひとつの輪郭も鮮やかだけれど、それらが一巡してひとまとまりになってもっと大きな意味で「ああ、いい経験したなあ」と思える。何か大事な節目のようなものが、まるでしなやかな竹の節を弾いたような音をたてて胸の奥のほうで確かに鳴った。何かが終わってまた始まった合図のようでもある。
道は、つづく。