純粋絵画領域友だち

この夏休みを利用して、二人の旧友がたまたま同じ時期に東京にやってきた。
わたし、かつて油絵科の学生だったからね(今は武道やったり、写真やイメージを渡しあったりする遊びに興じてるから解らないでしょうけれど・・・)当時の仲間たちと会うと、一気に四半世紀昔にワープする。久しぶりに油絵の具のかおりや、その痕跡にアクセスすることになる。

762eca2197eefc1510c7c1b2c0eca4fd受験生お断りの画塾「渋谷美術研究所」でご一緒した辻 聡さんと共に、明大前あたりを散歩。残念なことに、ビルの4Fにあって重い鉄扉を開けた先にあった画塾は、すでにない。あっけない、駐車場になっている。行きつけの飲み屋「とらばんちょう」も街の区画整理事業のようで、新地になっている。当時、課題制作とは別に、身近な人々の顔を描くことが楽しかった。「かんばせ」というシリーズになっている。「とらばんちょう」の女将さんにも一度、モデルになってもらった。シャムネコような独特の顔と声が蘇ってくる。

ここを主宰されていた岩坂芳樹さんが亡くなって10年になる。

渋谷美術跡_松原1丁目付近


そのまま銀座へ。学友の堤 慶さんの個展@ムサシ画廊をめざす。セザンヌに心酔する彼の姿勢は、一貫して変わらない。学生時代より一段色彩が明るくなってる。壁に掛けられた作品そっちのけ、友人知人の近況や噂話に花が咲く。あっけらかんと我が画道を行く?!地元和歌山で、独自な制作活動してるみたい。
堤くん個展1

個展会場をあとにして、銀座通りに出ると歩行者天国。ぶらぶら1分も歩かないうちに、空腹感じる。→銀座アスターの看板。吸い込まれるようにこれまた久しぶりに、2分の1サイズの担々麺と熱い中国茶でお昼して、そのまま稽古へ。

銀座アスターの担々麺2分の1サイズ

目のある風@国立近代美術館

企画展「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」にかこつけて、常設と作家が選ぶコレクションという3本建てを観に行く。地下鉄東西線の竹橋下車、真上にある毎日新聞社は土曜日なので閑散としている。暑い、めちゃくちゃ暑い。

美術館やキュレーションの意図とした流れのままに、しかし、目、眼、Eyeが刺さってくる。


aimitsutu常設の「ハイライト」と呼ばれる1室にある、『眼のある風景』靉光 作(昭和13年/1938)、

asoそして「奈良美智がえらぶMOMATコレクション」より『目』麻生三郎 作(昭和42年/1967)、解説を読むと「大学時代の恩師、麻生三郎や、・・・」とある。ムサビの担当教員だった麻生先生かな?奈良さんってひょっとするとキャンパスですれ違っていたか?というくらいの距離感。彼はもっと若い世代だと思っていたのでとても意外です。

naraさらに、『Harmless Kitty』奈良美智 作(平成6年/1994)、それぞれのディテールから。

 

夏休みだもの。
花火、盆踊り、プール遊びに、美術館・・・というところか。ああ、ミーハー。そんなにみつめないでよw。

self‐portrait

自撮りと自画像は、違うんだろうか?
「ニューイヤーカンブリアン2016」に投稿した作品より

地下鉄のホームに、準備中の大型ショーケースがあって、出番をまつ広告がハトロン紙で覆われている。その前面のガラスに映りこんだわたしが、滑り込んできた列車といっしょに揺れる。
0607

カンブリアン詩学的に、創作ゲームの流れの中では、「自撮り三態」と題されて。
newyear2016-595-607-611