固定電話が鳴る

ぼっさり終日べったりアパートにいると、たてつづけに鳴る。メールとケータイの世の中だ。
たいがいは何かの宣伝やわけのわからないアンケート、ほとんどは、大事な用件ではないことが多いのに、今日は違う。

一本目「退職者○○○会、事務局ですぅ」・・・女性の声、なんでも米寿の父に* 賞状と勲章をいただけるとのことだ。本人に伝えると「ほお、じゃ、もうちょっと生きてみようかな。」とそっけない。

二本目 多摩杖道会の創立メンバー 長尾さんの墓参りについて、稽古仲間で、尺八の名人内田さんから問いあわせ。「放送大学でお姿みましたよ、ご活躍ね。」という世辞がつづいて本題へ。

三本目 同僚から、月末の「古地図で地形散歩」詳細問いあわせ。客員教授友だちの芳賀啓さんが、今年度で残念ながら惜しまれて早期退職される、川浦康至教授のために催される特別な自主講座。とても贅沢な企画。

そういえば、2013年のいまごろ、あの日もたまたまべったりアパートでウダウダやってた。
固定電話が鳴って、留守電のアナウンスが応答するはずだけど、気まぐれに電話にでると、当時、東経大・コミュニケーション学部で学部長されていた川浦さんからだった。客員教授就任の打診だった!。メールじゃなくていきなり固定電話にそんな話がきたことに驚いた。以来、おかげさまで、存分に「杖道とアート」を開講する機会を得ている。わたしにとって、杖道界にとって恩人。

かつて、固定電話は、大事なこと、急を要すること、直接本人に伝えねばならないこと、そんなことのために使われていたのだなあ。。。しみじみ思いだした。
部屋の片隅にいまでもある、独特のまるまっちい電話機を、あらてめて眺めている。
ラップして少々埃をかぶってるけれど、かわいい。